第70回日本ウイルス学会学術集会 第70回日本ウイルス学会学術集会

会長挨拶

 第70回日本ウイルス学会学術集会が、令和5年9月26日(火)より28日(木)までの3日間、仙台国際センターにおいて開催されることとなりました。
 本学会は、ウイルス学という大きな領域の中に、医学・薬学・農獣医学・理学・生命工学など純粋な基礎から応用分野までの幅広い領域を包含しております。年に一度学術集会が開催され、上記領域で多岐に渡る最先端の学術研究発表が行われ、また分野を超えた活発な人的交流がなされます。
 COVID-19のパンデミックが始まってこの二年、ウイルス学は医学・獣医学領域の研究を中心にこの感染症ならびにその流行に関する多くの知見を、極めて短い間に世に示してきました。また今後もそうあり続けるでしょう。本学会でなされる国内外の研究成果の発表も、国内のみならず国際的にも大きな社会的意義と役割をもつはずです。

 第70回集会は、“流行不易~変わるもの変わらぬもの~”をテーマに種々の企画を計画しています。このことばは、松尾芭蕉のことば“不易流行”をもじったもので、ウイルス学の、コロナ禍を契機とする応用にかかわる展開と、それだけではない科学の芯となるような普遍的研究を両輪とし、双方の活性化を目指した発表と討論の場にしたいとの思惑からです。
 学術集会が仙台で開催されるのは1974年以来約50年ぶりのことであり、第70回が催される2023年は、仙台の地で発見され日本のウイルス学の黎明期を牽引した「センダイウイルス」の発見70年目の節目にもあたります。そこで、本集会ではセンダイウイルスの歴史と先端応用までをテーマとするシンポジウムなども予定しております。ほかにも種々のワークショップ、教育講演、シンポジウム、一般演題発表(口演・ポスター)、ランチョンセミナー、企業関連団体展示会があり、さらには科学を一般市民に届けるべく参加無料の市民講座も計画しております。なお、参加者対象の特別講演と市民講座の講師には、JT生命誌研究館名誉館長の中村桂子先生をお迎えすることになっています。

 みなさま、2023年9月、仙台の地でお待ちしております。

ポスターのデザインについて

 本集会のテーマは、“流行不易~変わるもの変わらぬもの~”です。これは松尾芭蕉の不易流行という有名なことばをもじったもので、ウイルス学のその応用関連の展開と科学の芯となるような普遍的研究を表しています。その二つを象徴する版画絵を小野竹喬の「奥の細道句抄絵」から選びました。変わるものの象徴として夏の紅花を、変わらないものの象徴として海に沈む夕日を選びました。奥の細道には、本会が東北の地で東北一円の先生方ご協力のもとに開催できることへの謝意も込めております。

第70回日本ウイルス学会学術集会
会長 西村 秀一
(国立病院機構仙台医療センター)