第70回日本ウイルス学会学術集会 第70回日本ウイルス学会学術集会

若手研究者優秀演題賞 受賞者一覧

※アルファベット順

安楽 佑樹(北海道大学薬学研究院生体分子機能学研究室)

近田 貴敬(熊本大学ヒトレトロウイルス学共同研究センター)

石田 幸太郎(弘前大学農学生命科学部分子生命科学科細胞分子生物学分野)

川久保 修佑(北海道大学大学院農学研究院植物病原学研究室)

丸鶴 雄平(東京大学医科学研究所感染・免疫部門 ウイルス病態制御分野)

野村 拓志(熊本大学ヒトレトロウイルス学共同研究センターウイルス病態学分野)

白銀 勇太(九州大学大学院医学研究院ウイルス学)

鈴木 紗織(北海道大学大学院医学研究院 微生物学免疫学分野病原微生物学教室)

鈴木 達也(順天堂大学大学院医学研究科微生物学)

Paul Kipkemboi Telengech(Institute of Plant Science and Resources, Okayama University)

塚本 雄太(Institute of Cardiovascular Immunology, Medical Faculty, University Hospital Bonn, University of Bonn, Germany)

植木 紘史(東京大学医科学研究所ウイルス感染部門)




プログラム

(2023年9月8日現在)

(2023年9月8日現在)

(2023年9月21日現在)

(2023年9月8日現在)

「ユーザー名」、「パスワード」は、9月8日に参加者の皆様へE-mailにてご連絡いたしますので、そちらをご参照ください。また、参加証にも記載いたします。

2023年9月8日現在
※下記掲載内容に予定、仮題を含みます


特別講演[SL]【日本語】9月26日(火)13:10 - 14:10 第1会場

生命誌の中のウイルス

座長:西村 秀一 (仙台医療センター)
演者:中村 桂子 (JT生命誌研究館)

  • 座長による紹介文はこちら

    自戒を込めてですが、我々ウイルス学者はともすると自分の狭い領域にこもりがちです。生命科学に始まり生命誌という概念の提唱なさっておられる中村先生です。広い生命科学、生物進化、そして生命誌、文化としての科学の視点に基づく先生からのメッセージを、我々ウイルス学者は、どのように受け取るべきでしょうか。

教育講演 1[EL1]【日本語】9月27日(水)11:00 - 11:50 第1会場

酸化ストレス応答の分子基盤と病態

座長:石井 直人 (東北大学大学院医学系研究科免疫学)
演者:山本 雅之 (東北大学 東北メディカル・メガバンク機構)

  • 座長による紹介文はこちら

    酸化ストレスはあらゆる生体反応に影響し様々な疾患の病態形成に関与します。この酸化ストレス応答の分子メカニズムの全貌を明らかにされたのが山本雅之先生です。山本先生の一連の論文の総引用回数は10万件を超えており、先生はノーベル賞に最も近い日本人の一人と言われています。先生のご講演で生命科学・医学研究の面白さを堪能したいと思います。

教育講演 2[EL2]【日本語】9月28日(木)11:00 - 11:50 第1会場

抗がんウイルス療法製品G47Δの開発

座長:神田 輝  (東北医科薬科大学医学部 微生物学)
演者:藤堂 具紀 (東京大学医科学研究所 先端がん治療分野)

  • 座長による紹介文はこちら

    近年、脳腫瘍に対する新たな治療法が成果をあげています。遺伝子組換えによって強い抗腫瘍活性をもたせたヘルペスウイルスに、腫瘍細胞を攻撃させるものです。日本初の国産抗がんウイルス療法製品、G47Δ(三重変異遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス1型)がそれです。本教育講演では、その開発者の藤堂具紀先生に、ウイルス遺伝子改変による抗腫瘍活性増強のメカニズム、および実用化に至る経緯についてご講演いただきます。

シンポジウム1[S1]【英語】9月26日(火)9:00 - 11:50 第1会場

国際シンポジウム

ワクチン開発のイノベーション:世界の研究リーダーからの視点

座長:渡辺 登喜子(大阪大学)
座長:河岡 義裕 (東京大学)

  • 座長による紹介文はこちら

    9:00am-9:30am
    Kei Sato, Ph.D.
    Dr. Kei Sato is a Professor at The Institute of Medical Science, The University of Tokyo, Japan. Dr. Sato is pioneering a new field of virology that he calls ‘systems virology’, which encompasses multiple aspects of viruses, such as epidemiology, pathogenicity, replication dynamics, and viral structures, and applies this interdisciplinary approach to HIV and SARS-CoV-2. To combat the COVID-19 pandemic, Dr. Sato launched a consortium, ‘The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)” which is organized mainly by young virologists, in 2021.


    9:30am-10:10am
    Wendy Barclay, Ph.D.
    Dr. Wendy Barclay is a Professor of Virology at Imperial College London. She is a world-renowned expert on influenza and coronaviruses. Her research has focused on understanding molecular mechanisms of pathogenesis and host range restriction of these viruses. During the COVID-19 pandemic, Dr. Barclay has advised governments and public health organizations on how to respond to the pandemic, and has been a vocal advocate for research into new treatments and vaccines.


    10:10am-10:50am
    Ralph Baric, Ph.D.
    Dr. Ralph Baric is a Professor at The University of North Carolina at Chapel Hill. Dr. Baric is a genuine corona virologist, who received his Ph.D. on coronavirus and has been studying coronaviruses including SARS-CoV, MERS-CoV, and SARS-CoV-2 for over 30 years. His research has focused on understanding the molecular biology of these viruses, how they spread from animals to humans, and how to develop vaccines and treatments against them. Dr. Baric's work has been instrumental in our understanding of coronaviruses.


    10:50am-11:20am
    Yoshihiro Kawaoka, DVM., Ph.D.
    Dr. Kawaoka is a Project Professor at The University of Tokyo, Director of Center for Global Viral Infections at National Center for Global Health and Medicine, Japan, and Professor at the University of Wisconsin-Madison. He has been studying influenza virus, Ebola virus, and SARS-CoV-2. His research focuses on molecular pathogenesis, vaccine development and drug resistance of these viruses.


    11:20am-11:50am
    Keiji Itaka, MD, Ph.D.
    Dr. Keiji Itaka is a Professor of Tokyo Medical and Dental University (TMDU), and also Osaka University. After starting his career as an M.D. of orthopaedic surgery, he has been engaged in scientific research on DDS, biomaterials, and gene therapy, and now focusing on mRNA medicines and vaccines. Besides preparing the first clinical trial of mRNA medicine for the treatment of joint disease at TMDU, he works for developing mRNA vaccines for infectious diseases as a member of Center for Infectious Disease Education and Research at Osaka University.

シンポジウム2[S2]【英語・日本語】9月27日(水)8:40 - 10:50 第1会場

センダイウイルス70年記念シンポジウム

センダイウイルス研究の歴史と展望

座長:西村 秀一 (仙台医療センター)
座長:村木 靖  (岩手医科大学)

  • 座長による紹介文はこちら

    センダイウイルスは、1953年、東北大学医学部附属病院で流行した新生児肺炎の患児から分離されました。当時黎明期にあったウイルス学を牽引し、モノネガウイルスのみならず広く−鎖ウイルスの研究発展に大きな影響を与えてきました。このシンポジウムでは、センダイウイルスの研究の歴史を振り返り、どのように今日まで、さらに将来に向け引き継がれているのかをお話ししていただきます。


    本間守男(神戸大学名誉教授、日本ウイルス学会名誉会員)
    1973年、センダイウイルスが感染性を獲得するためにはウイルスのF蛋白が宿主のトリプシン様蛋白分解酵素により開裂されることが必要であるという現象を見出されました。


    竹田誠(東京大学大学院 医学系研究科 微生物学)
    宿主プロテアーゼによる呼吸器ウイルス(インフルエンザやコロナウイルスなど)の活性化機構や麻疹ウイルスの病原性を研究されています。最近、センダイウイルスを用いたマウスの実験系で新しいプロジェクトを計画しているとお聞きしています。


    入江崇(広島大学大学院 医系科学研究科 ウイルス学)
    センダイウイルスの持続感染性獲得のメカニズム、アクセサリー蛋白質の機能、ワクチンとしての可能性などの基礎ウイルス学を研究されています。


    中西真人(ときわバイオ株式会社)
    センダイウイルスをベースに蛋白質の細胞質内持続発現を可能にするステルス型RNAベクター(SRV)を開発され、日本発の安全な遺伝子治療用ベクターとして再生医療の産業化を目指しておられます。

シンポジウム3[S3]【英語】9月27日(水)8:50 - 10:50 第3会場

日本微生物学連盟共催 学習シンポジウム

ウイルスたちの生きざま-その起源と分化

座長:鈴木 信弘 (岡山大学 資源植物科学研究所)
座長:高橋 英樹 (東北大学 大学院農学研究科)

  • 座長による紹介文はこちら

    このシンポジウムでは植物ウイルスや菌類ウイルスに関する研究を中心にご紹介いただきます。ウイルス学会参加者の多くは動物ウイルスを専門としていて、これらのウイルスについて知る機会は少ないかもしれません。しかしウイルスたちの起源や複製・遺伝子発現戦略には明確な共通性があり、また多様化した生存戦略にもその基本原理には共通性を見出すことができます。シンポジウムの講演や議論を通して、ウイルスたちのウイルスらしい生きざまをより深く・普遍的に理解する場にできればと思います。

    1. Dr. Massimo Turina (Institute for Sustainable Plant Protection, National Research Council of Italy)
      菌類には多くのウイルスの原型と思われるウイルスが多数見出されることが近年の研究で明らかになってきました。Turina博士には、その中から「複製酵素とリボザイムをコードする環状RNA」という全く新しいタイプのウイルスグループ(phylum Ambiviricota)の発見とその性状解析についてご紹介いただきます。
    2. Dr. Ken Komatsu(小松健博士、東京農工大学)
      (+)鎖RNAウイルスの複製は共通して細胞内の膜上で起きます。小松先生のグループは最近、(+)鎖RNAをゲノムとする植物ウイルスの一つであるオオバコモザイクウイルスの複製タンパク質の膜局在メカニズムを明らかにしました。これについて、動物ウイルスとの比較を交えつつご紹介くださる予定です。
    3. Dr. Richard Kormelink (Wageningen University and Research, the Netherlands)
      Bunyavirales目には植物ウイルス、動物ウイルスの両方が存在します。Kormelink博士にはこれらが宿主細胞の細胞質内で宿主mRNAからキャップ構造を含む5‘末端領域を切り取って自らの遺伝子発現に利用する「キャップスナッチング」について、その仕組みの共通点に着目しながらご紹介くださる予定です。
    4. Dr. Chikara Masuta(増田税博士、北海道大学)
      キュウリモザイクウイルスによって複製されるサテライトRNAは、宿主植物や媒介生物を巧妙に操ってウイルスと自らの生存に有利な状況を作り出していることが分かってきました。増田先生のグループが明らかにした、その非常に洗練された生存戦略についてご紹介いただきます。

シンポジウム4[S4]【日本語】9月28日(木)8:50 - 10:50 第1会場

学習シンポジウム

ひろがるウイルス学

座長:古瀬 祐気 (長崎大学医歯薬学総合研究科)

  • 座長による紹介文はこちら

    本シンポジウムでは、古典的なウイルス学とは異なるアプローチでウイルス感染症に関する研究を行いつぎつぎと新しい知見を創出している幅広い領域の研究者にご講演いただき、学際的な視点からウイルスを見つめなおします。


    李 秀栄
    医薬基盤・健康・栄養研究所AI健康・医薬研究センター。分子動力学シミュレーションによって、ウイルス-宿主の相互作用解析から創薬研究まで展開している。


    岩見 真吾
    名古屋大学理学研究科異分野融合生物学講座。数理モデルを駆使し、細胞・個体・集団レベルの多階層でウイルス感染症ダイナミクスの理解を目指す。


    岡田 随象
    東京大学医学系研究科遺伝情報学、大阪大学医学系研究科遺伝統計学、理化学研究所IMSシステム遺伝学チーム。大規模ゲノムデータと集団遺伝学の手法を用いて、感染症の病態メカニズムに迫る。


    古瀬 祐気
    長崎大学医歯薬学総合研究科ウイルス学分野。微生物学、臨床医学、疫学の専門家として世界中の感染症アウトブレイクの現場に赴き、公衆衛生や国際保健活動を行っている。

シンポジウム5[S5]【英語・日本語】9月28日(木)8:40 - 10:50 第3会場

学習シンポジウム

エアロゾルのダイナミズムと空気感染

座長:西村 秀一 (仙台医療センター)

  • 座長による紹介文はこちら

    このシンポジウムは、「空気感染」「エアロゾル感染」の、これまでのあやふやな定義や概念に惑わされがちな私たちが、科学の世界ですでに確立された概念としての「エアロゾル」とその延長上にあるエアロゾル感染、空気感染を理解するとともに、その応用や実例を学ぶ機会としたいと思います。ひとりひとりのプレゼン時間は短いですが、エッセンスを話していただきます。

                             
    1. Julian W Tang 先生(英国レスター大)
      臨床ウイルス学の立場から、COVID-19がairborne infection(空気感染)していることを、それまで頑なに否定していたWHOやCDCに認めさせたグループのリーダー的存在のおひとりです。インフルエンザも同じという立場であり、airborne infectionsについて短くレビューしていただきます。
    2. 林 基哉 先生(北大工学部)
      空調の専門家として、COVID-19患者のクラスターが発生した病院や大規模施設での空気の流れの実地調査を行って判明した、空気の淀みや流れの実態とクラスター患者発生の関係から、空気感染伝播のダイナミズムを感じていただけます。
    3. 伊藤 一秀 先生(九大工学部) 
      感染者からの飛沫が、エアロゾル粒子となり呼吸とともに他の人の体内に入り呼吸器各部位に沈着する際の、粒子の径ごとの動きを、スパコン富岳を用いたシミュレーションで解析しておられます。エアロゾル感染の最終段階を視覚的に見せてくれます。
    4. 竹川 暢之 先生(東京都立大)
      エアロゾルとは何か? エアロゾルについての基本的な考え方をお話しいただきさらに飛沫がエアロゾル粒子になるプロセスである乾燥と粒子径変化とそれに伴う粒子内の環境変化とウイルス活性の喪失についてお話しいただきます。
    5. 牧 輝弥 先生(近畿大)
      空気感染・エアロゾル感染は、通常イメージするたとえば麻疹やCOVID-19のようなウイルス感染症ばかりではありません。たとえば菌やカビの胞子はふつうに空中に浮遊しており、ときに国境や海まで超える大きなダイナミズムを持っています。そうしたスケールの大きな学問領域としての大気微生物学の第一人者をお招きしました。

共催セミナー1[SS1]【日本語】9月26日(火)12:00-13:00 第2会場

座長:河島 尚志(東京医科大学 小児科思春期科 / 厚生中央病院)

SS1
RSウイルスワクチンについて
白戸 憲也(国立感染症研究所ウイルス第3部第5室)

共催:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

共催セミナー2[SS2]【日本語】9月26日(火)12:00-13:00 第3会場

座長:中山 哲夫(北里大学 大村智記念研究所)

SS2
新型コロナウイルス感染症の臨床
大曲 貴夫(国立国際医療研究センター国際感染症センター)

共催:武田薬品工業株式会社

共催セミナー3[SS3]【英語】9月26日(火)12:00-13:00 第4会場

座長:佐野 大輔(東北大学大学院工学研究科)

SS3
ヒトノロウイルスと宿主因子の分子疫学
斉藤 繭子(東北大学大学院医学系研究科)

共催:株式会社日本微生物研究所

共催セミナー4[SS4]【日本語】9月27日(水)12:00-13:00 第2会場

最近話題になっている感染症の疫学: 原因不明の小児急性肝炎とMpox(サル痘)

座長:押谷 仁(東北大学大学院医学系研究科微生物学分野)

SS4-1
国内における小児の重症急性肝炎の発生状況
島田 智恵(国立感染症研究所 実地疫学研究センター)
SS4-2
裾の重い性的接触ネットワークを用いて世界的流行におけるエムポックス疫学を理解する
遠藤 彰(長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科 / ロンドン大学衛生熱帯医学大学院)

共催:株式会社タウンズ

共催セミナー5[SS5]【日本語】9月27日(水)12:00-13:00 第3会場

SARS-CoV-2におけるワクチンと治療薬の相補的役割

座長:鈴木 忠樹(国立感染症研究所 感染病理部)

SS5-1
経口抗ウイルス薬エンシトレルビル創製に至るアカデミアと企業の共同研究
佐々木 道仁(北海道大学 人獣共通感染症国際共同研究所 / 北海道大学 ワクチン研究開発拠点)
SS5-2
ワクチンの3要素;抗原,デリバリー,アジュバントのサイエンスとデザイン
石井 健(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門 ワクチン科学分野)

共催:塩野義製薬株式会社

共催セミナー6[SS6]【日本語】9月27日(水)12:00-13:00 第4会場

座長:浅田 秀夫(奈良県立医科大学 皮膚科学教室)

SS6
単純疱疹診療の診断と治療
川村 龍吉(山梨大学医学部 皮膚科学講座)

共催:マルホ株式会社

共催セミナー7[SS7]【日本語】9月28日(木)12:00-13:00 第2会場

座長:西村 秀一(国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター)

SS7
「富岳」による新型コロナウイルス感染リスク評価
坪倉 誠(神戸大学大学院システム情報学研究科システム情報学専攻 / 理化学研究所計算科学研究センター)

共催:ニプロ株式会社

共催セミナー8[SS8]【日本語】9月28日(木)12:00-13:00 第3会場

座長:森 康子(神戸大学大学院医学研究科附属感染症センター 臨床ウイルス学分野)

SS8
免疫の仕組みとmRNAワクチンの作用機序
石井 直人(東北大学大学院医学系研究科 免疫学分野)

共催:ファイザー株式会社